最高のロックであるドロスグロップの評判

実験的なサウンドを発し音楽ファンを魅了して評判を呼んでいるバトルスの最新アルバム「グロスドロップ」を全曲リミックスした「ドロスグロップ」。このアルバムは、日本で先行リリースされたCD盤の前に4枚にわたって12インチアナログ盤としてアメリカでリリースされています。

 

その4枚を、それぞれ携わったリミキサーを中心に見ていきます。

 

まず、第一弾として2012年2月8日にリリースされた「ドロスグロップ1」。この作品に納められているのは2曲で、「Wall Street」と「Sweetie & Shag」をリミックスしたものがそれぞれ納められています。「Wall Street」のリミックスを手掛けたのはブラジル出身のDJガイ・ボラット、「Sweetie & Shag」はスウェーデンのテクノミュージシャンであるザ・フィールドです。

 

それぞれテクノやエレクトロニカサウンドを駆使しながら、独自の音楽スタイルを確立しているアーティストであり、バトルスサウンドと見事な融合を果たしています。では、このリミキサーたちはどのようなミュージシャンなのでしょうか。

 

ガイ・ボラット
ブラジルはサンパウロ出身のDJ。自ら楽曲をプレイするだけではなく、プロデュース活動も積極的に行い、また一方で建築家としての一面も持つ異色ミュージシャンです。国際的に有名な音楽レーベルのプロデューサーも務め、現在でも本国ブラジルでレーベルの活動に携わっています。作曲活動も活発に行っており、アルバムが2014年現在までに2枚がリリースされています。

 

淡々とループする音ながらそれぞれの要素が心地よく、音数が少ないだけに広がりを感じさせるような音作りを行うアーティストです。
来日してそのサウンドを聴かせてくれる機会はあまりありませんが、各国から注目を浴びています。

 

ザ・フィールド
バンド名のように聞こえるネーミングですが、アクセル・ウィルナー個人のプロジェクト名です。スウェーデン・ストックホルム出身で、規則的にループするテクノサウンドでありながらミニマルな構成で、ピコピコした電子音ではなくナチュラルな質感を醸し出しています。

 

テクノとエクスペリメンスを仕切ることなく展開する姿勢からバトルスとも交流を持っており、「ドロスグロップ」に参加することとなりました。以降、バンド形態としてさらなる挑戦を続けテクノにロッククテイストなどさまざまなテイストを織り交ぜ、数々の試みで幅を広げています。

 

日本ではフジロックフェスに2012年に参加し、日本の音楽ファンを湧かせました。2013年には再びソロでの音楽構築を始動させ、アルバムをリリースしています。